第597回『竹細工職人・小川鉄平さん』2020/4/19放送

日之影町中村地区は青雲橋より一段と高い地区で、対面は日之影町役場の真上に位置します。広がる段々畑と山々。今、特に癒される風景かも…。
今回訪れた場所…というより、お会いしたかった人。
現代の名工・竹細工職人の小川鉄平さん。
日之影町には竹細工・わら細工、どちらも職人さんがいらっしゃいます。今ではこういった日本の伝統を継承される職人さんが少なくなっているなかに…です。
日之影町の竹細工職人といいますと、世界に“日之影”の名を広めたきっかけとなる名工・廣島一夫さん(故)がいらっしゃいました。
さるき隊では2010年8月の放送で、廣島さん宅にお邪魔してご紹介させて頂きました。
その当時もそうでしたが「後継者がどうなるか。今、県外から一人日之影に来ている若者がいるが…」
そうなんです。県外からいらした方がいらっしゃる、とはお聞きしていましたが…。
その方が日之影町の竹細工職人 小川鉄平さんです。

工房の一部。椅子も小川鉄平さんの手作り。所狭しと置かれている作品の数々…。

床??作業中??一人掘りごたつのようになっているのには理由があるんですが、皆さんお分かりになります?
通常、職人さんたちが作品を仕上げる過程でよく目にするのは、作業台に作品を置いて…ですよね?
鉄平さんは素材の竹を自ら竹林で5~6m長さに切り分け車に積み、工房に運び込みます。その長さの竹を作業台に置くとなると?数本に分けても長く重たい、しかもその重さに耐えかね、たわんだりしてしまいます。
鉄平さん「自分が低い場所で作業するほうが効率的!」とういうことで、床より低い位置になるように、床を改装したそうです。

納得の工房!竹の節を削り取る作業中。鉄平さんが使う竹は真竹。全国には孟宗竹を使われる職人さんもいらっしゃるそうですが、大きすぎて重いって。

メインの道具はほぼ写真上の1本。写真下のくの字の道具は、竹の節を削り落とすだけの道具。
名古屋出身の鉄平さん。なぜ日之影町にご縁が?
「元々物作りが好きで、職人仕事に関心があったんです。リュックを背負って全国行きましたが、19年ほど前に日之影町にたどり着き、そこで“かるい”を背負って日常を過ごされている人々を知ったんです。その背負い籠に興味を持ったのが日之影町に来るきっかけですね」

青いほうは製作途中の注文品。あめ色は鉄平さんの私物。「納品すると色が違う…とよく言われますが、竹ですから最初は青いんですよね」

竹ひごの細さ!竹細工商品作りの体験も出来ますが、竹ひご作りの工程は相当難しいので、鉄平さんたちが用意したものを使います。
今の時期は筍の美味しい時期ですが、その竹を成長させて収集するのは10月の新月の時期と決まっているそうです。よく漁師さんたちが満月の漁はしないと聞きますが、竹にもそんな時期があるんですね。
といいますのも、満月の日は土の養分が上にあがり、新月だと下がるんですって。養分を含む竹を商品として使用すると、その竹自体が腐りやすかったり虫が付きやすかったりするんですって。鉄平さんも実際試してみて、その違いを知ったそうです。

日之影町役場の米田さんが手にされているのは、ちょっと長めの靴ベラ??鉄平さんの小学生の息子さん作ですって!蛙の子は蛙。血は争えない!!
鉄平さんに今までの作品の中で一番の大作を伺ったところ「釣った魚を入れる“びく”です。これは廣島さんの得意とする作品でもあります」その“びく”の竹ひごの幅、1.5mm。しかも徳利のような形なんです。鉄平さんの作品は全て予約注文で、作品によって違いますが2~3年待ちになります。

地域おこし協力隊の重信さんと小川鉄平さん。「竹は1~2年で成長しますが、作品は長く使えます。使えば使うほど時間の経過とともに色も変わります」
鉄平さんに竹細工の魅力を伺いました「材料を取ってくるところから作品を仕上げるまで、全て自分の手でやるところです。竹の素材と自分の手という道具の折り合いが出来る魅力はなんとも言えないですね。使えば使うほど味が出てくる面白い素材でもあります。関心のある方は是非使ってみてください」
完全予約制で2~3年の待ち時間を要しますが、その魅力はその何倍何十倍となって自分のものになっていくはず!私も…まだまだバリバリ仕事するぞー!!

2010年7月取材8月放送の時に廣島一夫さんにお会いしました。当時95歳の一夫さんから言われた言葉が今も忘れられない、私の宝物です。
日本のお宝でもある、日之影町のお宝。前回の姫泉酒造の姫野社長の言葉ではありませんが、大切なものが絶えてしまったら、その復活がかなり難しい。また、好きでないと長続きしないこともありますし、それを生業にするのであれば、好きだからって続けられることでもないですよね。
ある意味、小川鉄平さんは選ばれし者かも知れません。
大切にしたい方とのご縁に感謝!
~竹細工に関するお問い合わせ~
日之影町役場地域振興課 0982-87-3910
日之影町観光協会 道の駅青雲橋内 0982-78-1021
http://hinokage-kanko.jp
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